化粧品と健康食品の通販会社の新たな柱として下着の開発に着手した際、同じチーム内で、「一番に優先されるのは、既存の顧客の嗜好だと考えた人」と「自分の望む下着が一番だと考えた人」がいた。
同じ開発チーム内で考え方に誤差があることは、よくあることだが、これはトラブルが多く発生することだ。
自分の趣味や望むもの。
つまりシンプルに「下着が好き」な人は、どんなターゲットがどんな下着を求めているか考えず、
女性誌の切り抜きを持ってきて、今の時代「コールデンプロポーション」に合わせた下着が必要だと力説した。
実際に商品化されたのは、姿勢が良くなりセリシン(絹のたんぱく質成分)を使用した機能性ブラジャーとショーツであった。
かなりの売れ行きだったので、自社通販以外にも一般的に売出すことを検討されたみたいだか、
当時はまだ機能性下着が新し過ぎる事やブラジャーなどサイズバリエーションの必要があるため見込み販売数の在庫を抱えるリスクが大きすぎて自社通販にとどまったと思う。
確か実用新案で登録し、協力メーカーとの契約等もあるだろうから、現在はその開発した商品は販売されていないはずだ。
しかし、後輩たちが立ち上げた際のコンセプトそのままに既存の顧客のニーズに合わせた機能性下着の販売を行っている。
創業者の強固な理念に賛同し信頼しているコアなユーザーが支えてきたのであろう。
今でこそ、
新しい下着と各メーカーが機能性をうたってきているが、業界的にはもっと早くエンドユーザー(消費者)の意識を探って、着手しても良かったのだと思う。
企業が間違った方向に行かなければ、消費者が被害に合うこともなく経済活動は円滑になる